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37.鎖樋の足元、どうしていますか?美しさと機能性を高める「石」の役割

日本で生まれ育った「鎖樋」は、雨の日の景色を美しいものに変え、心地よい水音を響かせる、趣深い建材です。お客様が選ばれたこだわりの鎖樋。その魅力を最大限に引き出すために、設置の際によく検討していただきたいのが「足元のしつらえ」です。

鎖樋の足元には石や砂利を敷くことがよくあります。見た目の美しさはもちろんですが、実はそこには、鎖樋をより長く、より快適にお使いいただくための、日本の気候風土に適した実用的な理由がいくつも隠されています。

 

今回は、鎖樋の足元にしつらえる石や砂利の、大切な役割についてご紹介します。

 

理由1:泥はねを防ぎ、建物を清潔に保つため

 

これが最も大切な役割です。鎖樋を伝って地面に落ちる雨水は、思いのほか勢いがあります。もし地面が土のままだと、雨水が当たった瞬間に泥が跳ね、建物の基礎や外壁、そしてせっかくの鎖樋自体を汚してしまいます。玉砂利や砕石を敷くことで、それらがクッションとなり、水の勢いを効果的に吸収・分散させてくれます。雨水の跳ね返りを劇的に抑え、大切な住まいを汚れから守る、シンプルながら非常に効果的な方法です。

 

理由2:水はけを良くし、水たまりを防ぐため

 

梅雨やゲリラ豪雨など、まとまった雨が降る日本の気候。鎖樋の足元が粘土質の土などの場合、水が溜まってぬかるみの原因になることがあります。水たまりは、植物の根腐れを招いたり、蚊の発生源になったりする可能性も考えられます。

石や砂利を敷くことで、その隙間が水の通り道となり、雨水をスムーズに地面へと浸透させます。これにより、鎖樋の周辺はいつも水はけの良い、快適な状態に保たれます。

 

理由3:全体の佇まいを引き締め、美しく見せるため

 

日本庭園において、石や砂利は「景石」や「枯山水」のように、景色を構成する重要な要素として扱われてきました。鎖樋の足元に石をあしらうことは、単なる排水設備ではなく、庭の一部として「景色をつくる」という美意識の表れでもあります。

足元が整うことで、鎖樋から地面へと続く水の流れが視覚的に繋がり、全体の佇まいがぐっと引き締まります。

 

例えば、

  • 玉砂利を使えば、品の良い落ち着いた印象に。
  • 那智黒石のような黒い石なら、モダンで洗練された雰囲気に。
  • 少し大きめの栗石を置けば、素朴で自然な趣が生まれます。

 

建物の外観や鎖樋の素材に合わせて、この石以外にもきっと合うものがそれぞれの環境にあるはずです。足元の景色づくりも鎖樋と合わせながらお楽しみください。

 

理由4:錘(おもり)の高さ調整を行い、風対策を万全にするため

 

鎖樋が風で揺れて建物に当たるのを防ぐため、私たちは必ず錘(おもり)またはアンカーでの固定をお願いしております。錘を石を敷き詰めた安定した土台の上に置くことで、高さの微調整も可能となり、安定性も向上します。

アンカーで鎖樋を固定する場合には、石がアンカーの目隠しとなり意匠性も高まります。

 

台風などで強い風が吹く日本の気候において、足元を固めることは鎖樋を安全にお使いいただくための重要な備えとなります。

 

細部へのこだわりが、価値を高める

 

鎖樋の足元に石を敷くこと。それは、機能性と美しさを両立させる、日本のものづくりにおける「用の美」の考え方にも通じます。

 

古いお家でたまに見かける光景として、昔ながらの鎖樋がまるで邪魔者のように建物に縛り付けられていたり、傷んで切れているものを見かける時があります。

同じ鎖樋メーカーとしては悲しい気持ちになるのですが、特性を理解して足元や固定を正しく設えていただければ、見た目も良くて機能性も高いものに生まれ変わりますので、既設、新設に関わらずぜひ鎖樋の周囲の環境を整えることもご検討ください。