排水能力 Drainage capacity

各鎖樋の排水能力

種類 最大排水能力
リットル/時※1
720
筒L 2,500
720
720
玉L 2,500
水雲 720
水雲 L 2,500
網代 720
波紋 720
色采 720
  • ※1 個々の鎖樋が流すことのできる最大の水量(リットル/時)です。雨水は散らばりますが、流すことができます。

排水能力 自動計算フォーム

以下のフォームにて、降水量、屋根の面積、使用する鎖樋を入力すると、その使用条件で必要な製品数が算出可能です。

降水量-[mm/時]、屋根の面積-[m] × -[m]の場合、鎖樋の目安となる本数は-本です。

雨の強さと降り方

気象庁が公表している雨の強さと降り方の感覚的な指標です。

1時間雨量
(mm)
予報用語 人の受けるイメージ 人への影響 屋内
(木造住宅を想定)
屋外の様子 車に乗っていて
10以上~
20未満
やや強い雨 ザーザーと降る 地面からの跳ね返りで足元がぬれる 雨の音で話し声が良く聞き取れない 地面一面に水たまりができる
20以上~
30未満
強い雨 どしゃ降り 傘をさしていてもぬれる 寝ている人の半数くらいが雨に気がつく ワイパーを速くしても見づらい
30以上~
50未満
激しい雨 バケツをひっくり返したように降る 道路が川のようになる 高速走行時、車輪と路面の間に水膜が生じブレーキが効かなくなる(ハイドロプレーニング現象)
50以上~
80未満
非常に
激しい雨
滝のように降る(ゴーゴーと降り続く) 傘は全く役に立たなくなる 水しぶきであたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなる 車の運転は危険
80以上~ 猛烈な雨 息苦しくなるような圧迫感がある。恐怖を感ずる

参照: 気象庁|予報用語 雨の強さと降り方

地域別降水量

それぞれの地域の気象条件にあわせた降雨強度の算出が必要になります。
各地域の降水量の記録については、気象庁のホームページでご確認ください。

http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/

おすすめポイント

波紋の場合、雨水の伝わり方や周囲への飛散は、他の鎖樋と比較して風や水量の影響を強く受けます。
そのため波紋の設置をする場合には、周囲へ雨水が多少かかっても問題のない場所での設置をお勧めします。

近くに樹木のある場所で鎖樋を使う場合、特に軒樋との接続部で落ち葉が溜まり、パイプが詰まることがあります。
軒樋との接続部で落ち葉よけを設置することや、定期的な掃除を行うことで良好な水の流れを保つことができます。

特にシルバー系の鎖樋について、表面に空気中に含まれるゴミが付いて黒ずんでくる場合があります。
黒ずんだ場合には、濡れた布巾で表面を拭くことで綺麗に保つことができます。

雨量と樋の排水能力の計算方法

当社の鎖樋は全て排水能力を明示しております。以下の通りに算出が可能です。

降水量について

よく天気予報で出てくる降水量についてmm/時という単位がありますが、これは1時間あたりに降り積もる雨の量を表しています。
10mm/時の雨が降り、全く排水や蒸発が無いとした場合、雨が降った箇所には10mmの高さの雨が貯まるということになります。
仮に10mm/時の雨が1時間あたり1m2に積もる雨は、

10mm1,000mm ✕ 1,000mm = 10,000,000 mm3

mm3をリットルに換算するには
1,000mm3=1 cm3
10,000,000 mm3 ÷ 1,000 mm3 = 10,000 cm3

1 cm3 = 1cc
1,000cc = 1リットル
10,000 cm3 ÷ 1,000cc = 10リットル

計算の結果、10リットルとなります。

図.降水量単位「mm/時」のリットル換算の例

屋根と降水量の関係

屋根面積が大きければ大きいほど全体で集まる雨量は増えます。
垂直に屋根を見た場合の面積を投射屋根面積と呼びますが、投射屋根面積(m2)に降水量(mm/時)から算出した1m2あたりに積もる雨量を掛け合わせると、屋根に降り積もる雨水の量を算出できます。
例えば、縦と横の長さが10m四方の屋根の場合、100m2となりますが、その屋根に10 mm/時の雨が降った場合、1m2に10リットルの雨水が貯まると計算できるので、100m2の面積には、
100m2 ✕ 10 リットル = 1,000リットル

計算の結果、屋根には1時間あたり1,000リットルの雨が降り積もります。

図.投射屋根面積について

鎖樋の排水能力について

個々の鎖樋の排水能力はリットル/時で表されています。1時間あたりに排水できる水量ですが、屋根の面積に降り積もる雨の量を算出した上で、鎖樋の1本あたりにかかる水量が鎖樋の排水能力を超えないようにする必要があります。
当社の鎖樋、筒の場合には1時間あたり720リットルの雨水を処理できますが、上記の計算結果である1000リットルの雨を処理する場合には

1000リットル÷720リットル=1.3888・・・・・

よって、1本では足りず2本必要になると計算できます。

その他

屋根面積が大きく、鎖樋で排水能力が足りない場合には、通常の縦樋を併用するか、雨水が樋よりオーバーフローしないような仕組みを作る必要があります。
通常の縦樋(パイプ式縦樋)を併用する場合には、縦樋に大きめのサイズを使い大雨の時にも問題が無い形で全体の排水ができる能力を確保したうえで、鎖樋には排水口の口径を絞り、排水量以上の水が鎖樋に流れ込まないように対処することで、水はねを少なくすることができます。
または、雨水を緊急避難的に落としても良い箇所がある場合、軒樋の端部にガーゴイルのような仕組みを作り、水を落として逃がす方法があります。