Envi-lope01
神保町SFI
- 所在地:東京都千代田区神田
- 設計:㈱日建設計
- 施工:東洋建設
1. 開発の背景と目的
Envi-lope 01 は、中小規模の既存建築物に対し、後付け可能で、環境性能と外装意匠性の両立を目指したファサードシステムとして構想されました。
今回の小学館神保町 SFI ビルでは新築建築への採用となり、設計の自由度や施工性、遮蔽効果などを想定した設計が試みられています。
中小規模建築においては、十分な日射遮蔽手段を確保することが難しく、空調負荷の増大やそれに伴うコスト上昇がこれまでの課題でした。
さらに、既存の外装材では柔軟な設計対応が難しく、建物の用途や形状に応じた対応にも限界がありました。
こうした課題に応えるため、鉄骨などのフレームを使わない吊り構造を採用しつつ、部材そのものに機能を持たせるという発想から、Envi-lope 01 の開発は㈱日建設計と共同でスタートしました。
2. 構造と設計の特徴

Envi-lope 01は、支柱を必要としない吊り構造によって構成されています。上下2点でのシンプルな固定により、建物の外観を損なうことなく、設置自由度の高いファサードデザインを実現。斜めや曲面への展開も可能で、開口部や外装形状にあわせて柔軟に取り付けができます。
また、構造体は風や雨といった外的環境への耐性を考慮して設計されており、開発段階で風洞試験などの検証も実施済み。振動やたわみの挙動も確認されており、長期にわたり安定した使用が可能です。
図面に示されるように、構造は単純でありながらも、合理的かつ施工性に優れています。あらゆる建物に対して、環境性能と意匠性の両立を可能にする新しいファサードユニットです。
ユニット単体の形状イメージ
(直径約200mm、奥行き約90mm、重さ約400g)
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ジェットファンを用いた
風洞実験 -
繰り返し加力試験 -
引張試験
3. 環境配慮と素材選定

本製品にはZAM®(亜鉛・アルミニウム・マグネシウム合金めっき鋼板)を採用しています。耐候性に優れ、塗装工程が不要なため、製造工程を簡素化できるほか、長期的なメンテナンス性にも寄与します。工程削減は製造時のエネルギー使用量や排出物削減にもつながり、CO₂排出量を抑えた製品設計にも貢献しています。結果として、外装性能と環境性能を両立した、持続可能性を意識したプロダクトとなっています。
4. 日射遮蔽性能と設置検証
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非常階段を覆うファサード -
消防の進入口
Envi-lope01の遮蔽性能については、日建設計が日射シミュレーションをもとに設計。建物の方位や日射角に応じた配置検討が行われており、遮熱性能と外観デザインが両立する設計が可能です。設計初期の段階から計算ベースで取り組むことで、実効性のある遮蔽性能を担保できる点も、このプロジェクトの特徴のひとつです。
使用場所や視線の抜け方に応じて、異なる形状のパーツを組み合わせて配置しています。
非常階段まわりでは下からの視線を遮るように、また、日射遮蔽が必要な開口部付近では影が多く落ちるような形状を採用するなど、機能性と環境性能を考慮した設計がなされています。
5. 製造における技術対応と加工体制

Envi-lope 01 に使用されている円筒部材は、瀬尾製作所の自社工場にて、プレスによる絞り加工によって製造しています。
この部材は「なべ底形状」と呼ばれる凹型で、金属加工のノウハウを活かし、精度高く仕上げています。また、ワイヤー接続部の金具なども含め、かしめ加工や部品製造、組立までを自社で一貫対応しており、設計意図に即した品質と施工性を確保しています。
6. 今後の展開に向けて
Envi-lope 01 は、既存建築への後付けにも対応可能なファサードシステムとして開発されました。
新築への採用実績を通じて、設計条件に応じた柔軟な対応や施工精度が確認されており、用途や規模を問わず幅広くご活用いただけます。
製品の導入やカスタマイズをご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。





